発行所:聞光寺発行人:釋温成寺報

第114号 2021/7/1発行

第113号

ふぐしょしゅじょうおうじょうあんらくこく

みんなちがって みんないい

有縁廟(合同墓)が完成して三ヶ月が過ぎまして、お檀家さんからの反響は大きいものでした。

二十年ほど前から社会のグローバル化が進み、私たちの住んでいる地方都市にも押し寄せて来ている事を考えて、合同墓をどのような形で実現しようかと思い、総代さんと相談していた時に中越沖地震で本堂が倒壊し、本堂再建が先になり、ご檀家の皆さんのご協力のおかげで本堂再建ができました。

そして、落ち着いたところで有縁廟にかかりやっと完成しました。建築し出してからも、コロナ感染の影響で流通の遅れがあり、予定より一年遅れで出来上がりました。有縁廟完成は、私が思っている以上に必要性を感じて、ご使用されたいと思っておられる方々が多くいらっしゃいます。自身の死に向かっての活動、世間でいう終末活動を色々と考えておられる方が多いことを知らされました。私たちの生活が、グローバルな社会を生きてゆくならば、それぞれの生活にあった終わりを考えなければならないでしょう。

今現在、四十基強のお墓が、お参りされていない状況で聞光寺境内の墓地にあります。そんなお墓の隣近所の方がお参りをされ、お花をあげておられるので、寺側で分からないお墓はもう少しあると思います。お参りのされていないお墓の使用者はどうしておられるのでしょうか。

そのようなお墓の方の住所など知っておられる方は寺にお知らせください。住む場所を変え、新しい生活地盤で元気に過ごされていることでしょうが、故郷に残してこられた先祖さん(お墓・ご遺骨)を、どうされるのでしょうか。亡き人(先祖様)たちがおられたからこそ今の私が居るのではないでしょうか?そんな大切な人たちを、今のままにしておいていいんだろうか?何とかしてあげたいものです。

今、たくさんの方が、生活と近未来を見つめての行動として、墓じまいや改葬を考えておられる方が多くなってきました。故郷を持ちご先祖様と共に生活している私たちも、未来を見た時には、他人事として考えられないグローバルな社会になっているのではないですか?

どこかに故郷を作り、そこをいつでもご先祖様に出会える場所として、大切にしてゆくことを考えてみませんか。地球のどこで生活していようが、私の故郷は「○○です」といえる大切な所を見つけましょう。

お内仏の前に座るために

あとひと月程で盂蘭盆会(お盆)を迎えます。身近におられた亡き人を偲びながら、自身の今生きている「いのち」を振り返ってみる時間にしたいものです。

ふだん横目で見ながら気にかけているが、正面に座らないで過ごしていることでしょうが、お盆には、清々しくなっているお内仏の前に座りたいものです。お内仏のお掃除、仏具磨きをしませんか。

真鍮は専用の真鍮磨き(ピカール等)、汚れのひどい時は液体洗剤(テガール等)を使うとよくおちます。時間は、ひどく汚れているもので二時間位で、年二回くらい磨いておれば、一時間くらいで綺麗になります。お内仏を綺麗にし、ふだん離れておられる方たちと共に、亡き人を通してあらためて皆さんと出会ってみませんか。