第112号 2021/1/1発行
流転輪廻のわれら
御先祖様の敬いはどうなるの?
新年あけましておめでとうございます。
新型コロナ感染のニュースで一年が過ぎましたけれど、生活の変化でストレスが溜まっていませんか?今年はスッキリして本当のGOTO!!を賑やかにしたいものです。
近年、故郷を離れて仕事につかれる方が多く見受けられます。そのような状況の中、少子化の影響で次世代は、今の三分の二の人口になるように言われております。そこで言われ始めたのが、お墓の改装、墓じまい等の言葉です。
聞光寺の御門徒の方にも多く、故郷を離れ子供たちの過ごしておられる所を、最終目的地とするために、墓じまいをする方が近年増えてまいりました。少子化等によって跡継ぎがいないので、早めに先祖の遺骨を合同墓に移し、自分たちは、嫁に行った子供たちに迷惑がかからないように、その合同墓に入れてもらう準備をしておられる方も多くおられます。
転勤等によって、定住する所が世代によって変わってゆき、先祖のお墓をその時その時の定住地へ移動しながら先祖を守ってゆくようになるのでしょうか。いろいろな事情や考え方が、それぞれの家庭の中にあり、故郷を離れなくてはならない方が多くなりました。
先祖のことを、子孫にずっとお願いできないけれども、大切にして多くの方からずっとお参りして頂ける場所が必要なのではないですか。柏崎を私たちの故郷とし、皆で聞光寺檀家として、大きなお墓(合同墓)に入りませんか。
そのように子孫には頼れないような家が多くなってきましたので、聞光寺でもそれにこたえようと以前より考えていました。聞光寺合同墓建立の計画をいろいろな人に相談して計画を進めようとしていた時に、中越沖地震が起きたのです。地震によって全倒壊した本堂再建のことを考えるのが先になり、合同墓のことは相当遅れてしまいました。
合同墓の建立は時代の波の中にあったのか、宗派を超えてほとんどの寺院で建立されてきました。本堂再建が終わったばかりでしたが、多くの聞光寺ご門徒さんの声に背中を押されて、合同墓建立作業に至っておりますが、去年の初めから世界中の動きを狂わせている新型コロナウイルスのために、荷物が届かなかったり、天候が不順であったりで、仕事がはかどっていないのです。暮れには形が整い、ご先祖さんの未来が安心できるような形で、春には落慶法要ができるのではないかと考えております。
そんなふうに出来上がるのか楽しみにして、もうしばらくお待ちください。
2020を振り返って (当院 井上宗温)
2020年ももうすぐ終わりますが、一年を振り返ってみると、まさにコロナに振り回された年だったのではないかと思います。1月頃に中国で新型の病気が流行りだしているという話を聞いていた時は、全世界へと広がり日本も緊急事態宣言が出される程の状況になるとは思いもよりませんでした。それが今では、コロナと共に生活する事が常となり、ロックダウン、クラスターなど今まで聞いたことがなかった言葉が当たり前に使われるようになっています。出かければ、どこのお店でも消毒液が入口に置かれていますし、皆がマスクをつけて買い物をしています。皆が新たな生活様式の対応に追われ、ご苦労されていることと思います。
その一方で、コロナにならないようにと自粛し過ぎて経済が回らなくならないように、様々なGOTOキャンペーンが行われてきました。経済的な理由でご苦労されている方々も本当に多くおられるのだと思います。年末年始のGOTOを止めると政府は発表しましたが、それでも皆が動くべきか動かざるべきかをそれぞれ悩みながら生活する日々が続いているように感じます。そんな風に私たちが迷うことができているのも、休む間もなく働いてくださっている医療関係の方々のおかげです。その事をしっかりと受け止め、自らの行動を決めていかなくてはならないと思います。
そんな今までと異なる生活は、改めて人との距離というものを考える機会ともなりました。これまで、いつでも会えると思っていた人達と中々会うことができないし、また、交通網の発達により日本全国どこにいてもすぐに駆け付けられると思っていたけれども、やはりこういう事態になると遠く離れている者同士なかなか集まることができません。身近な方が亡くなられたお葬式でも、住んでいる地域の状況から参列出来なかった方も多くおられるようで、少人数でのお葬式が多くあった一年でした。また、事前に日程を組んで行う年忌法要などの法事でも、遠くからの移動予定が立てられず集まることができないという方が多くありました。そうであっても、やはり本来の儀式や法要の形が失われない様にその意義を確認していくとともに、本当に伝えていくべき必要のあるものは何なのかを考えていく大切な時期のように考えています。
そんな中で以前の聞光で紹介があったと思いますが、動画のライブ配信を始めました。聞光寺ホームページより見ることができ、現在は10月に行われた報恩講の様子を過去動画として見ることができます。今後も、聞光寺で行われる法要や法話会の配信をしていこうと思っていますので、遠くて足を運べない方や都合の合わない方、後からもう一度話を聞き直したい方など多くの方に見ていただけると幸いです。
また、県外など遠方にお住まいのため、聞光寺に来て法事を行えない方や参加できないご親戚のために、それぞれ個人の法事の撮影、配信も行う事ができます。それならやってみたいとお考えの方がおられましたらお電話でご連絡下さい。個別に事情を鑑みて対応させて頂きます。
最後になりますが、私にとっての2020年は新たな家族が増えた年でもありました。これからの世を担っていく子供たちに、少しでも希望のある未来を残していけたらと思っております。皆さま1年間ありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。