発行所:聞光寺発行人:釋温成寺報

第110号 2020/7/1発行

第109号

すでに道あり

新しい生活習慣ってどんな生活

文明の発達により地球が狭くなったように感じられます。連絡がつけば、大方どんな所にいても二日あれば会うことができるでしょう。

私が経験したお葬式のご家族で、一番遠くから葬儀までに間に合われた方は、日本の真裏にあるブラジルからでした。

上記に書きました「連絡がつけば」のほかに、休暇を取って家族で家族で旅行に行く用意がしてあったって、連絡が来てすぐに旅行(?)先を変えただけでしたけれど!

日常生活でも、交通手段が便利になり、距離が苦にならないのか長距離恋愛とか週末婚などという言葉も普通に使われるようになっています。人が動くということは、ウイルスも一緒について動くということになりますので、世界中にウイルスが感染するスピードも速いということになります。

こんなに地球が狭く感じられ、遠くのものでもすぐに手に入るような社会生活をしているのに、何で争いが絶えないのでしょうか。行動やスローガンでは平和を願っているのであえるが、うまくゆく気配がない。仲良くしようと思う気持ちを、私たち人間の欲が勝ってしまうのでしょう。

民主主義・資本主義の社会生活の中では、強制はできないのでお願いになってしまうけれど、私たちは、

「私だけは、私は大丈夫、私は我慢できなくなった」という人間の心の三毒(煩悩)が勝ってしまうのでしょう。

三毒とは、

貪欲(むさぼり・必要以上に求める心)

瞋恚(怒り・憎しみの心)

愚痴(心理に対する無知の心)

今回の新型コロナに振り回される私たちは、あらためて人間の欲の深さと執着性を思い知らされているような思いがします。

以前のように、テーブルを囲んで賑やかに乾杯の掛け声とともに会が始まり、昔話や手柄話、失敗談やたわいもない話からひらめきをもらうような集まりが何時になったら戻ってくるのでしょうか。楽しく過ごし、感動をいただき、肩を抱きながら喜びあったり、うれしさのあまりハグをしたりの感情をすなおに表現する時が、いつになったら来るのでしょうか。新型コロナウイルスが、インフルエンザと同じような感染症ならば、感染したら十日から二週間の間隔離され休まなければならない事になります。

ワクチンや治療薬ができるまで感染しなように気をつけなくてはならないでしょう。今のような環境の中での生活は、予防に神経を使わなくてはならない日々が続くことになります。そのような日々の生活が続くと、ストレスがたまり煩悩が動き出すのです。

煩悩が活発にならないように生活するには、予防をしながらの生活が、生活様式として今後の生き方をしてゆかなければならないでしょう。新しい秩序や道徳が出来上がり、今までの秩序道徳が、間違いと言われてしまうということが、たくさん起きてくるのではないでしょうか。言い方を変えれば、新しい考え方や楽しみ方、今までダメだったことが許されるようになったりすることが起きてくるでしょう。

いろいろ頭を凝らして考え頑張ったならば、楽しい、面白い日常が生まれてくることになるかもしれません。

第二子、長女が生まれました(当院 井上宗温)

3月27日に長女、井上凜音(いのうえ りん)が誕生しました。

出産予定日が4月末でしたので、1ヶ月以上早く生まれることとなりました。そのため、小さく生まれましたが、すくすくと順調に育っております。長男と比べるとやはり女の子ということもあるのか物静かで、上の子のおしゃべりの方が大きくて泣き声が聞こえないことも度々あるくらいです。

コロナ禍の中という事で、普段以上に諸々に気を遣わなければならない出産でした。そんな中で生まれてきた新たな命を目の当たりにし、「いのち」というものが如何にかけがえのないものであるか感じられました。子どもには生まれてきてありがとう。妻にも生んでくれてありがとうと、感謝しかありません。

今は家族が増え、息子と娘との騒がしい毎日を過ごしております。7月で息子は3歳となり、よくここまで育ってくれた息子を見ながら、同時に父親として自分も3歳となったことを考えさせられます。子どもがいて初めて自分が親となります。子どもの成長と共に自分も成長していけたらと思います。これからも子どもたち共々よろしくお願いいたします。