発行所:聞光寺発行人:釋温成寺報

第108号 2020/1/1発行

第107号

遠く宿縁を慶べ

新年を迎えて

明けましておめでとうございます。

新しい年が始まりますが、沢山のいろいろのことがあり、一年が短く感じられるようになってきました。そんな中でも真剣に考えてゆかなければならない事が大きく問いかけてきています。

先日銃撃されて亡くなられた医師の中村哲さんの、アフガニスタンでの行動を見てみますと、医療によって沢山の弱い人たちを救おうと頑張られたけれど、医療だけでは「いのち」は救えないと感じられたようです。

そこに住む人たちとともに生活し、生活を少しずつでも豊かにしてゆくための方向として、命をつなぐ食料の確保を目指し、自ら率先してブルトーザーなどの重機を繰り、灌漑事業をやっておられました。地域の人たちの信用を受けて、一生懸命に頑張っておられたそういう人までも、自分の都合に合わなければ命を奪ってしまう人たちもいるのです。

また、16才の少女が、国連の各国大使たちの前で、「大人は自分たちの今の都合ばかりを考えているだけで、未来を考えていない。お金を増やす事だけに頭を使うのではなくもっと違う事に頭を使わなければならない。」と講演しています。

地球やそこに住む命を救うためには、地球の環境を良くしてゆかなければなりません。悪くしている一番の問題は、人間が自身の生活に都合良く生きてゆく環境を作る事の結果として排出される二酸化炭素です。二酸化炭素によって引き起こされる温暖化現象を何とかしないと、子どもたちの未来は無いということでしょう。

その温暖化現象の対策が、それぞれの国の経済発展のためには、積極的な行動を起こさないでブレーキをかけてしまうのが経済社会の現実です。多くの世界の国が、特に先進国の中で、二酸化炭素排出削減に対して一番協力的でない国が、アメリカと日本だそうです。

先進国、特に経済大国といわれている国が、経済の都合で沢山の二酸化炭素を排出しているし、それを減らす努力もしていない国の代表として「化石賞」と呼ばれる賞をいただいたようです。

地球が正常に働く、自然が都合によって変更されたりかきまわされないようにならないと、そこに住む「いのち」は、正しい方向を向いて歩むことができないのではないでしょうか。

お知らせ 合同墓建立工事着工

鐘楼の隣に木造の八角のお堂を建て、それ全体をお墓とします。

雨風を気にせずお参りができる場所となります。

ご遺骨の入った箱・壺を保管する場所ではなく、従来のお墓と同じようにお堂の中で、ご遺骨を埋葬するようになります。

聞光寺門徒の合同墓なので、ご使用されるに当たっての規約等を、合同墓建立委員の方たちと作っているところです。

早めに作り、皆様にお知らせしようと思っております。