第75号 2011/10/1発行
非常の言は常人の耳に入らず
みんな繋がっている
近年、毎年のように災害が起きています。日本だけではなく世界中いたるところで起こり、被災者の数は、世界中で起こっている戦争やテロでの死亡者数を超えています。
地球をおかしくしてしまったのではないでしょうか。
地球自身とそれを取り巻く環境が、「辛くて苦しい」と悲鳴を上げているように私には感じられてなりません。
経済社会を発展させることによって、自然環境を破壊する文明社会を築きあげてきた私たち人間が、より上の生活を願い、まだ足りないような歩みをしているようです。どこまで破壊したら気が済むのでしょうか。
地球の温暖化によって、私たちを取り囲む自然環境が大きく変わってきています。
例えば、元気に沢山の魚たちが暮らす海は、栄養分の多い海なのですが、元気のない海が多くなってきています。元気な海を取り戻すには、山が元気にならないとだめなのです。
なぜならば、山に降った雨は、落ち葉等で作られた栄養の豊富な土の中を通り、川へと流れてゆき海に出るのです。
しかし、今の山は荒れてしまい、土の中に入れずそのまま川へと流れてゆきます。そしてその川も、上流からコンクリートで作られた水路になってしまっているのです。だから一気に、川の水が増水するような事が多いのです。
元気のない、栄養のない水が、海に流れてくるのですから、海には魚介類がいなくなってしまうのです。その事に気づいた漁師さんたちが、山の人たちと協力して、植林や山の手入れをするようになったのです。
効果を見ていると、十年たたないと納得のゆく海が帰ってこないようです。そして続けなければならないのです。
一つの仕事であっても、たくさんの仕事と多くの条件がそろってやっと大きな成果を自然の中からいただけるのです。
現代の私たちの生活づくりは、自然と喧嘩をする事によって作り出された生活ではないでしょうか。人間が満足をすることが、自分自身の首を少しずつ絞めていっていることになるのではないだろうか。
自然の中から生まれ出された私たち人間は、自然からおすそ分けを受け、お相伴にあずかって、一生懸命それぞれが生活している場所を、大切に守り育ててゆく事が生きるということではないでしょうか。
そんな生活の中に、笑う温かい家族ができ、友が集まり、大きな優しい社会が作られてゆくのでしょう。
自然と共に生きてゆくのには、沢山の人たちが、いや、地球に住む皆が協力しなければ破滅を生んでしまうでしょう。
考えましょう。みんなで手を取り合って笑える歩みを。安心して気が休められる家庭を。
「先に生まれん者は後を導き、後に生まれん者は前を訪え、連続無窮にして、願わくは休止せざらすめんと欲す。無辺の生死海を尽くさんがためのゆえなり。」(教行信証)
上棟式を終えて

8月28日に、沢山(300人くらい)の方が来られ賑やかに上棟式が行われました。
始めて見る儀式に、驚かれたり声を出されたりで楽しい上棟式でした。
今は、雪の来ないうちに屋根をかける仕事が、着実に進んでいます。冬仕事で内が仕上げられてゆく事でしょう。
時々顔を出して、職人さんを激励してやってください。生き生きと仕事をしている職人ですので、私たちも元気をもらうことができると思います。
一生懸命にやっておられるので、予定どおり春には建物は完成するのではないでしょうか。
仏具が入り、庫裏におられる阿弥陀如来さまを、本堂正面にお迎えして本堂において仏事が再開されるのは、7月になってしまいます。
盆内会は、本堂でご法話を聞き、お斎は庫裏で出来るようにしようと思っておりますし、そのように職人さんも頑張っておられます。
この様にさせていただいたのも皆様のご協力とご支援によるものです。有難うございます。
まだまだ頑張らなくてはなりません。これからもご協力・ご支援よろしくお願いいたします。



