発行所:聞光寺発行人:釋温成寺報

第66号 2009/7/1発行

第65号

不自由人と知れば、自由人となる

受け止めた所から 始まるよ

今年4月になって、メキシコに端を発した新型インフルエンザが、アメリカ・ヨーロッパ等へと伝わり、たった1ヶ月ほどで、地球全体に広がってしまいました。感染者をみると、若い世代の人が中心で、年寄りがあまりかからないのは不思議です。

日本では少し遅れたけれども入ってきて、日本中のマスクが無くなるほどに予防という名目で、大量に買われて、柏崎でも品数があまり無いようでした。私も、神戸にはまったく無いという事なので、柏崎で買って送りました。

毒性は弱いが、感染力が強いという事で、発病した人が出た地域では、外出の時には、多くの人がマスクをしていたようです。今でも日本では、あっちこっちに飛び火したように感染者がおりますが、大流行にはなっていないようですし、日本のこれからは、湿気の多い季節なので、少々安心してもいいようですね。

しかし、日本と反対側(南半球)のオーストラリア等では普通でもインフルエンザが流行る季節であり、新型インフルエンザが大流行の兆しがあるので、警戒レベルを最高の「6」にしたようです。今までのインフルエンザは、免疫剤が既に出来ているので、あまり大流行にはならなかったようですが、今回の新型インフルエンザは、まだ対抗する薬が出来ていないし、ウイルスがどう変異してゆくかも分からないので、これからどうなってゆくかが心配です。

この流行の仕方を見ると面白いことに気付きます。それは、新型インフルエンザに感染した人が出掛けると、誰かと出会いうつしてしまうのです。このようなことが次々と起こってゆくのです。点から点へと伝わってゆくのだが、そこまでゆく道のりで、まったく知らない人と接触して行くのです。点が繋がって線になり、線が面を作り出してゆく。そのように、多くの人が感染してゆくのです。潜伏期間が少し長いので、感染している事が分からず、移動して行き、どんどん面が広がって行きます。

また、移動手段がよくなり、距離を稼ぐので、遠い所に点が線を引きながら移動して、新しい面を作り出してゆくのです。すごい伝達力ですね。この力は、インフルエンザだけでなく、私達が毎日過ごしている生活が、そのような形で人を変えたり変えられたりしているのです。

私達の生きている事は、如何してそうなってしまうのか、如何して思うようにならないのかという毎日が、人智では計ることの出来ない事ばかりの人生であり、それが私を生かしてくれているのです。

起こってくる事は、しっかりと受け止め、そこから出発してゆく事しか私達には出来ないのではないでしょうか。自分で何とかしようと力む事は、人間の傲慢に他ならないと思います。

地球に生きるもの全部で、大切な大地・環境を私たちの生きる場所として考える生き方をしなければ、生き物の住めない地球だけが残るのではないでしょうか。

ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします

5月24日の臨時世話方総会において、聞光寺本堂再建を具体的に一歩を踏み出す事を承認していただきました。その後、建設会社と6月8日に契約をする事となり、住職・責任役員・総代・建設部長・財務部長立ち会いのもと、無事済ませることができました。

その時に、亀山建設社長から、この度の聞光寺本堂再建は、地震という特殊な事情によっての再建なので、支払いの事では色々とご配慮していただきました。

まず、「銀行借入をしなくてもいいような支払い方法を考えましょう」ということを言って頂いたのです。契約時の支払い、完成後の支払い等は、涙が流れるほど、ご考慮に甘えた契約をいたしました。

このように考慮して頂いた事は、今まで聞光寺が、檀家の皆さんの助けを頂きながら、共に歩んで来た歴史と、確実な歩みを信用しての契約だという事が出来るのではないでしょうか。

建物の中で使われる仏具類は、使い物にならなくなってしまった物が多いので、殆ど新調になってしまいます。しかし、平常に必要な物を求めて、必要ではあるが、今は我慢できる物は我慢をした予算です。

少しでも多くのご懇志が集まり、一つでも多くプラスして行けるようになると願っております。

大変なご無理をお願いしておりますが、おじさん・おばさん等にもプラスアルファをお願いしたり、子供さんと分けながらの応援をして頂ければ、より充実した暖かい聞光寺本堂ができるのでしょう。

はじめまして

渡辺君

6月より柏崎の地、聞光寺様にて念仏の御縁を頂く事になりました。渡辺正志わたなべまさしと言います。

私は隣の十日町市の出身で、実家も浄土真宗大谷派のお寺の跡取りです。今までは、新潟市の寺院にて約7年間勤めて参りましたが、この度、有難いお話を頂きまして正式に着任という事になりました。

趣味は4年程前から始めたマラソンやエアロビクスといった体を動かす事で、特にマラソンは昨年の東京マラソンにも参加しました。昨年の今頃はまさか柏崎で勤めるとは考えてもいなかったので、今の自分自身にビックリしています。

既に約1ヶ月が経ちますが、毎日が新鮮である一方、気の抜けない所へ来たと感じております。特に思うところは、何と言ってもお寺へ足を運ぶ人の多さでしょうか。現在は本堂再建事業も重なり、尚の事ではあるのかもしれませんが、それ以上に御門徒の方々がお寺というものを身近に感じ、当たり前の様に自然と足が向く存在であると考えているからこそではないかと思っています。個人的にも、理想的なお寺の在り方と考え、とても勉強になります。お寺が、そして私が、常に見られているという緊張感を持って取り組んで、これから微力ながら懸命に勤めさせて頂きたいと思っております。

再来年には宗門を挙げての五十年に一度の親鸞聖人750回忌法要、そしてその翌年に完成予定を迎える聞光寺本堂の再建を通し、たくさんの人に出遇いたいと思う事が、今、一番私が願っている所でもあり、胸を躍らせている所でもあります。

まだまだ若い故、至らぬ点は多々あるかと思いますが、一つ一つ学んでゆく所存でありますので、皆様には温かくも手厳しい御指導を賜りたいと思います。何卒宜しくお願い致します。

合掌