発行所:聞光寺発行人:釋温成寺報

第64号 2009/1/1発行

第63号

愚者になりて往生す

新年を迎えて

明けましておめでとうございます。

いつもの事ですが、一年を振り返ると色々な事があるのですね。

はねつき

特に近年は、誰でもいいから殺したかった、残留農薬・毒入りの食料品、産地偽装の食料品等、生きてゆく事への不安をあおる事件ばかり起きているように感じます。何でこんな事ばかり起きるのでしょうか。

アメリカのサブプライムズローンから発せられた世界の金融不安、このことに於いて、世界の大企業と言われているアメリカの自動車会社三社(ジェネラルモーター、フォード、クライスラー)が、国から手助けがなければやって行けないと泣きついたけれど、応援を断られてしまいました。

当然な事だと思います。お金を借りに行くのに、何百億もする自家用ジェット機を使うのですから・・・・。

輸出中心の日本は、外国の消費に頼らなくてはなりませんが、円高で一ドル九十円前後になっています。

日本の商品は高くて買えないので消費を控えるようになります。

日本企業は仕事が少なくなり、儲けも少なくなるから従業員を少なくする。

そのあおりを受けるのが派遣・期間労働者が、住まいと仕事を同時に失う解雇の問題になっています。

会社のために働き、会社もその従業員の心に答えてゆくと言うような、共に必要不可欠な関係が、何処で崩れてしまったのでしょうか。

景気の良い時は沢山の人を使い、悪くなるとすぐに使わないようにする。そんな場所が昔あっちこっちにありました。そのようなシステムが国家公認で作られた社会になっているように思われます。

会社の上層部は、自分だけ残れるような方策ばかりを考え、会社そのものを支えている従業員は、取替えのきく部品としか考えていないように感じるのは私だけでしょうか。

世界中で金融不安、生活不安を感じる事が起こっているのは、私達人間が、「これでいい」と思って創り上げて来たものが、間違いとは言わないまでも、願いと違う方向に動いているのでしょう。

自分の欲望を満足させるために、自分以外の人に心馳せる事無く、他の動物と同じように、弱肉強食の世界を生きようとしている様に感じられます。

強い者が勝つ社会ではあるが、負けた者もまた立ち上がって行ける部分を残しておくのが人間社会ではないだろうか。昔はそのようであったように思います。

今は、徹底的にやっつけて、立ち上がれない様にしてしまう。自分以外には頼りになる者が居ない為の防衛手段なのでしょうか。寂しい事ですね。

生き物の中で人間だけが、弱いからこそ、勝ち負けの中にも思いやりを持って生活してゆける社会を創ろうとして来たのではないでしょうか。

特に日本人は、競争の中でも全体を見る配慮があり、欧米人のように、白黒をはっきりと言えない、それが優しい心を持っている日本人のよさ、らしさなのだと思います。

優しく思いやりがあり、我慢強い日本人は何処へ行ってしまったのでしょうか。

物や金が中心となっている社会が、人間の向かう方向ではないと思います。本当に大切な事を、命の歴史に聞いてゆかなければならないと思います。

合掌

法要施行について

法要の約束をしましたが、どんな形の法要をされるのか分からないでその時を迎える事がけっこうあるのです。「思っていたこととは違う」と思われた事がおありの方が居ると思います。

法要をされる時は、寺に相談して下さい。また、日取りは、誰もが都合のいい日を選びますので早めに決められているようです。

法要で用意するもの等がありますが、確認という事で、法要の日の少し前に寺へ来て頂けると確実な準備が出来ると思います。

日取りに来られた方に、「どのようにされますか?」とお聞きすると、不思議な顔をされます。それは、法要の形(方法)がいくつもあることを知らなかったからだと思います。

法要には

  • お寺のご本尊様の前での法要
  • 「上お経」
  • 家のお内仏(お仏壇)の前での法要
  • 「お内仏法要」
  • 家にお寺からご本尊様・親鸞聖人様・蓮如上人様の御影像をお招きしての法要
  • 「一尊様法要」「二尊様法要」「三尊様法要」

また、家が出来ての入仏式が「移徒(わたまし)法要」 その他、葬儀に関すること等みな法要です。

法要の日は命日より早くしなければならないと言われる人がいますが、早くても遅くてもかまわないのです。される方の都合とお寺の日程が合う日であれば何時でも良い日なのです。

その年に出来なくてもいいのです。やろうと思っていたと言う事が大切な事です。毎日のお参りは忘れないで下さい。

安原晃師

この度、三条教区から宗議会議員として出ておられた長岡市(越路町来迎寺)の安浄寺住職の安原晃師が、真宗大谷派のトップとなる宗務総長になられました。

住職の実家と安原師の実家とは、相手次寺となっており、前坊守は小さい頃からの知り合いなので、先日18日に新潟で行われた激励祝賀会に行って来ました。

宗務総長が三条教区から出られた事をご縁に、2011年の宗祖七百五十回御遠忌を賑やかに、しっかりとお勤めする事が出来るように、大いに応援しなければならないと感じております。

それには先ず、5月23日に行われる、十組御遠忌お待ち受け大会を盛り上げたいものです。参加をお待ちしています。(人数制限があります。)

また、本山御縁忌の聞光寺割り当て日は、2011年4月21日60となっております。他に日はハッキリしないのですが4月下旬に20名の枠があります。楽しみに予定していて下さい。

何とかやった一年間

一年間、聞光寺の寺院活動を振り返ってみますと、沢山の行事があり、沢山の人達と出会ってきました。

1・2月はあまり雪がなく、過ごし易かったのですが、4年前に購入した除雪機の活躍の場がありませんでした。(良い事なのか悪い事なのか)今シーズンの出番を待っています。

3月いっぱいで、三年間勤めていた林星児君が一身上の都合で辞めてゆきました。その後にお手伝いをお願いした石田君は、来る直前で骨折をしましたので、一月近くも遅れてしまいました。

居る事を前提にスケジュールを組んでいましたから、予定がスムーズに行かなくて、大変だった事を思い出します。

来てすぐに連休となり、多少の勉強はしたけれど、寺育ちではなく、環境の違ったところでの一人暮らし、実践は初めてで、手取り足取りなのでなお大変でした。

そんな中で、総代さんと聞光寺本堂再建の事をまとめながら、5月24日の臨時世話方総会で、本堂再建の委員を選定して、7月6日の定例世話方総会で「聞光寺本堂再建委員会」が動き出しました。

地震から一年を前に、幼稚園を借りて、二回に分けましたが、盆内会をする事ができました。

何とか石田君も育ってきたけれど、辞める事となり、また一人での寺役となりました。

葬儀の時等には、近隣のご住職のお手伝いを受けておりますのでご了承ください。

時節の好い時や休・祭日には沢山の方の希望が多くなるので、ご希望に答えられない事が多々あるでしょう。

まだ当分ご迷惑をおかけする事になると思いますがお許しください。

今、お手伝いの人を探しておりますが、春の就職シーズンにならないと駄目なのかもしれません。

真宗門徒にとって一番大切な法要「報恩講」は、本堂がなくても休んではならないと気持ちで、以前より一日少ないですが、法話の先生をお招きし、御伝抄(宗祖聖人の御一代記)を、直江津・林覚寺のご当院さんと、聞光寺当院に読んでいただき、寺族・世話人さんと共にしっかりと勤めました。

しかし、参詣の人があまりにも少なかったです。

来年は沢山の方から参詣していただけるよう頑張るつもりです。お待ちしています。

報恩講後は、ご回檀でご門徒さんの家々のお参りに出かけています。地域によって時期が違いますが毎年ほぼ同じ頃に予定しています。

色々な事が起きて来るのが娑婆世界、真正面で受け取りながら歩んで行こうと思っております。