発行所:聞光寺発行人:釋温成寺報

第63号 2008/10/01発行

第62号

子供達は見ている

人間が変わったのは 自然を変えたから

実りの秋を向かえ、黄金のじゅうたんが少しづつなくなってきましたが、黄金中に緑の色が多くあったように見え、昔のように「見渡す限り黄金のじゅうたんが敷かれている」とはなっていないようでした。

稲穂

山間地に行くと、心が和む景色が少なくなり、荒れて壊れている様が多く目に入ってきます。悲しくて寂しくなります。

外国から穀物を輸入しなければならなくて、日本では毎年減反を義務付けられて、今では田んぼの三分の一が、米を作れなくなっているんですね。あまり米を食べなくなったからでしょうか。

都会の人たちは、昔の風景を懐かしみ、昔を取り戻してほしいというけれど、どうしたら戻せるのでしょうか。農家は、過疎と高齢化が進み、手間のかかる棚田から減反の対象にしてきたのです。悲しさをこらえながら・・・。

若者も、手伝いをしながら一緒に暮らしたいのですが、しかし、収入のことを考えると・・・。

そんな中で一生懸命に生きているのに、その気持ちを逆なでするような問題・事件が多く起きている事が悲しく、怒りさえ起こってきます。

先進国で、食料自給率が40パーセントに満たない日本は、独立国であると言えるのでしょうか。自国の農業を、一生懸命に身を粉にして頑張っているのに、そこで作られた物を偽装して、自分だけ儲けようとしている不届きな輩が沢山増殖しているようです。

島国であり、資源の少ない日本という独特の状況の中で育てられてきた日本人の心・魂は、どうなってしまったのでしょうか。正直で勤勉で、優しく、我慢強い、親切な日本人は、いったい何処へ行ってしまったのでしょうか。

安心して共に生きてゆけるような社会は、どうしたらできるのでしょうか。

先ずは、正直になる事だと思います。

正直は自分自身に力を入れる必要がなくなり、他の人と争う必要を考えることがなくなるでしょう。そして、誰からも嫌われる事がなくなるはずです。

前へは早く進むのではなく、遅くてもいいから明るく確実に前へ進める一歩を、歩みだす事から始めなければならないと思います。

美しく豊かな自然を取り戻そうとする努力が、目の前の欲に目がくらんで、性格に見ることができなくなってきた私たちが、豊かな社会を作って行く事になるのではないでしょうか。

私が常に大切にしている言葉を書きます。

「国境は見えませんでした。地球は一つなんですね」

この言葉は、宇宙飛行士の毛利衛さんが、宇宙から地球を見て、帰還した時の最初の感想です。国境は誰が、何時、何の為に作り出したのでしょうか。

私達人間が住んでいる所(地球)は一つしかないという事は、みんなで共に育て守っていかなければならない大切なものだという事です。

ちっぽけな私が、今この場所から私のできる事を正直に生きてゆく事だけでしょう。

墓地整備について

以前から気にしておりました境内の墓地の整理を始めました。

地震によって動いた墓が沢山ありましたが、墓所有者がお盆までに殆ど直されましたが、お盆を越えて墓地を見ますと、直されていない墓と、花等の上げられていないお墓がまだまだ沢山あります。それらのお墓を見ますと、寺の者でも何処に居られる人なのか分からないお墓が殆どなのです。

そこで、お墓と人(家)が繋がるようにいたしたく、それらのお墓に、人探しの札をつけました。

墓の所有者あるいは、所有者を知っておられる方は、お寺までお知らせください。2年間ほどかけておきます。それでも分からなかったお墓は、誰でも入れる聞光寺のお墓に入れることになります。

聞光寺本堂再建委員会

委員会の様子

7月6日の世話方総会で承認をいただき、再建委員会設立とメンバーを、総代、住職、責任役員で相談いたしましたところ、37名の皆さんから快い承諾を得まして、聞光寺門徒を代表していただき、8月31日に再建委員会を発足いたしました。

再建のために今何をやっているのかを、皆さん方に伝えなければなりませんので、建設・財務・広報委員会の三部門をたて、話し合いながら、本堂再建を果たしてゆきたいと思っております。

しかし、代表者がいくら頑張っても、檀家さんのみんなの協力がなければ成り立ちません。

現在は、今までにお寺に訪ねてこられ、再建のお手伝いをさせて下さいと言ってこられた建設会社、工務店、設計会社の最近建てられた本堂を、10月6日に委員の方と現地見学に行くことになっております。

そのお寺で、ご住職や、総代さんのお話を聞く事は、聞光寺本堂再建の希望につながるものだと思って行ってまいります。