発行所:聞光寺発行人:釋温成寺報

第102号 2018/7/1発行

第101号

雑行を捨てて本願に帰す

確かなものは、時間がかかる

暑さを感じるようになると、柏崎が元気になる「閻魔市」が、今年も賑やかに行われました。県下で1・2を争う出店の数です。

柏崎を離れて生活するようになった人も「閻魔市」の時になると、血が騒ぐというのでしょうか、3日間で柏崎の人工の3倍ほどの人たちがくりだすのです。

ここで生まれ、育った人たちの長い生活の歴史が、育ててきた柏崎の文化なのですね。

新しく、そして便利なものを欲しがり、生活の中に取り入れ、生活環境をどんどん文明の利器に変えてきている私たちがいます。

古いものを捨て、新しい便利なものだけを使い、昔の人たちが時間をかけて、ゆっくりと育ててきたものを「古い」というだけで、良きものを置き去りにしてきているのではないだろうか。

長く伝わっているもの、多くの人がまだ使っているものなどは、今でも私たちを育ててくれるのではないだろうか。

それらをよく見ると、沢山の命を長い歴史が、はいっているのではないでしょうか。

私たち現代人は、文明に流されて、便利や都合の良いことばかりを求め、無駄の多い文化的なものを見ることをやめ、より良い暮らしを夢見て経済を重視して生活しているのではないだろうか。

時間がかかっても、いつもとは違ってなんだか面白い、楽しいことを考えることを大切にしてゆくことが、自身の生活スタイルを先へ進むための発想を、豊かに大きく育ってゆく歩みの手助けになってゆくのではないでしょうか。

「三つ子の魂百まで」と言われる言葉があるように、故郷は、そこで育った人にとっては、自身の血肉となっているのですから、懐かしく温かい所ではないかと思います。

お盆や正月に、渋滞になったり、混雑している事はわかっており、疲れるのが目に見えているのに故郷へ帰る行動はやめられない。

故郷は自身の血肉になっているので、家族に会う、友達に会う、懐かしい海・山・川や景色等の思い出に触れる事だけで、半年分の疲れやストレス等が取れたような気持ちになれるのでしょう

だから故郷は、忘れたはならないし、忘れられないものなのではないでしょうか。

故郷に残ったものは、疲れた子供が帰ってきた時のように、優しく迎えてあげるのが勤めではないでしょうか。

そのように過ごしておられる人の多い所は、にぎやかな街として残ってゆくことでしょう。

沢山の人たちが住んでいる所でも、心温かいお付き合いを持たない所では、町が破壊されてゆくことでしょう。

柏崎には、これから「柏崎まつり」の花火大会や、誰もが楽しめる海水浴場があります。

多くの人が共に楽しめる場なので大きく手を広げましょう。

お寺でも、7月の11日から14日までぼんないがあり、8月には盂蘭盆会がありますので、普段あまり会えない親戚や友達、ご先祖様とのご縁に会わさせて頂くことができます。

そのような機会をおおいに使って、にぎやかな人間関係を築いて行けたら、ご先祖さんたちが築き上げた文化が、私たちの中で輝き、もっともっと大きく育ってゆくのではないでしょうか。

一寸一言

近年、お内仏のお参りをされている様子が、あまり感じられてこないです。

お参りされるのは、お盆と病気をした時や、旅行へ行くときの安全祈願などではないでしょうか。

お参りされる時、安全を考えて短いローソクを使い、手を合わすだけで終わりになっているのではないでしょうか。

お香や先行をほとんど使わないのではないでしょうか。

お香を使う生活が少なくなり、西洋から来た香水を多く使うようになり、お香のかおりを、あまり印象の良くない仏事(葬式・法事)のにおいと感じるようになったのではないでしょうか。

本来お香のかおりは、私たち自身の汗臭さ等の体臭を取り除き、その人の気持ちを落ち着かせ、精神を安定にする働きを持っているのです。

葬儀屋さんにも「焚火をして出てくる煙のようなお香でなく、もっと香りの良いものを使うように!」と言っています。

ならば、私たちも朝一番にお香を焚き、ゆったりとした気持ちで一日が出発されれば、楽しい一日が始まるのではないでしょうか。

無理はしなくてもいいですが、少しでもかおりのよいお香を使ってみてはいかがでしょうか。

合同墓(納骨堂)建立について

前年度の総会で、お墓事情の現状はどうなっているのかを考え、皆様にお知らせするようになっておりましたが、今年の総会で、建立するように前へ押し出されましたので建立へむけて進もうと思います。

これからは、どのような形、どれくらいの大きさ、どのくらいの資金が必要なのか等を考えてゆかなければなりません。

総代さんだけでは難しいので、本堂の時のように、3・4人の方を選出し一緒に考えてゆこうと思っております。

いろいろな条件の方々がおられますので、多様な方向から考えてゆこうと思います。

皆さんのご意見もいただくために、アンケートのような形でお願いすることがあるかもしれませんが、その時は早めのご協力をお願いします。

これからの未来は、グローバルな社会なので、子孫がどこで落ち着くのかが分からない程世界が近くになってきています。

ならば、墓を持ち歩く、墓終いをするではなく、先祖の故郷を決めて、どこに行っていても時間ができたら、私たちの故郷に帰って先祖と出会う生活が、命の歴史を見つめ、皆の命を大切にする生き方なのではないでしょうか。

1歳になりました

去年の聞光寺世話方総会の日(7月2日)に、石川県七尾市の病院で生まれました。

読みにくいですけれど、蓮温と書いて「れん」と読みます。

よろしくお願いします。

編集後記

今年の世話方総会が終わり、聞光寺の新しい1年がはじまります。

現代の生き方の中に、冷たい風が感じられます。

そういう問題を真向かいに見つめなければならない宗教家が、時間をなくしている現実をなんとかしなくてはなりません。ご協力をお願いします。